WordPressブログ入門以前
ビビッと来てHintを契約したけど、サーバとかWordPressとかドメインとか、用語もよくわからない…という方向けの記事です。
Hintを使うための予備知識やブログ運営のために必要なWebの知識をまとめてあります。
言ってしまえば「WordPressブログ初期設定マニュアル」のマニュアルです。
技術的で厳密に正しいことよりも、わかりやすさと実用性を重視しています。
この記事を一通り読んだあとは、セットアップで何をしているのかのイメージがついていて、トラブル時も基本に立ち返って原因を特定できるようになっているでしょう。
まずはWordPress初期設定マニュアルの目次を再掲します。
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- 独自ドメイン(URL)をレンタルする
- レンタルサーバー(WordPressの置き場所)をレンタルする
- レンタルサーバに独自ドメインを紐づける
- レンタルサーバーにWordPressをインストールし、設定をする
このステップで何をしているかを理解するために、まずはサイトが表示される仕組みを知っておきましょう。
待って、そもそもサーバーとかクライアントって何?
サーバーとは接続される側や求めに応じて提供する側、クライアントは接続する側や何かを求める側の、ソフトウェア・ハードウェアのことを指します。
「サーバー」が場面に応じて、コンピュータのことを指したり、ソフトウェアのことを指したり、サービスのことを指したりするので「これもサーバー?あれもサーバー??」と混乱しがちです。
サーバーはとにかく待機し、誰かの求めに応じて情報やデータを提供する側(serv:給仕する・servantの接頭語)。
何かを要求するお客さん側がクライアントだと思っておけばOKです。
サイトが表示される仕組み
ブラウザでhttps://hint.acのリンクをクリックすると、Hintの公式ページが表示されます。
この一瞬の間に、裏側では何をしているのでしょうか。
ドメインとIPアドレス
あなたのコンピュータやスマートフォンは、ページの文章や画像などのデータのダウンロードには、IPアドレスという番号を使って取得しています。
実際に「hint.ac」というドメインは「13.112.58.109」というIPアドレスに紐づけられています。
ただこのIPアドレス、とても覚えにくいです。
そこで発明されたのがドメインです。
ブラウザ上では皆さんは「https://hint.ac」と入力して、Hintのページにアクセスしていますね。
このhint.acと「13.112.58.109」というIPアドレスを紐づける役割は誰が担当しているのでしょうか?
DNSサーバがドメインとIPアドレスの変換表を持っている
このドメインとIPアドレスの紐付けを行う役割を持つのがDNSサーバです。
DNSとはドメイン・ネーム・システムの略です。
つまりDNSサーバとは、ドメイン・ネーム・システムを提供するコンピュータや、そのコンピュータの中で動いているアプリケーションのことを言います。
ドメインとFQDN
実はDNSサーバが管理するのはドメインではなく、正しくはFQDN(Fully Qualified Domain Name)というものです。
FQDNとは「https://blog1.hint.ac」の青字の部分のことを言います。
ドメインとは「https://blog1.hint.ac」の赤字の部分のことを言います。
サブドメイン
サブドメインとは「https://blog1.hint.ac」の緑字の部分のことを言います。
つまり「https://hint.ac」は、サブドメインが空欄のFQDNとして「13.112.58.109」に紐づけるよう、DNSサーバに登録されているのです。
このサブドメインですが、ドメインを持っている人が自由に増やせます。
そのため「https://hint.ac」「https://blog1.hint.ac」「https://blog2.hint.ac」で別のIPアドレスを紐づけることができます。
そのため1つのドメインを持っていれば、複数のブログやWebサービスを運営できるのです。
IPアドレスの担当しない領域
IPアドレスはあくまで場所を示すだけのものです。
- そもそもその住所にコンピュータが存在するかどうか
- 中でどんなプログラムが動いているか
- どんな形式でクライアントにサーバ内のデータを返すか
これらはIPアドレスは担当しません。
イメージとしては緯度経度といった座標です。
そもそもそこが土地なのか(何かの応答を返すコンピュータが存在するか)、何もない海の上(誰も何も応答しないか)なのか。
もし土地なら、そこにどんなビルやテナントがあるのかまでは、IPアドレスだけでは不明ということです。
独自ドメインとは?
ここでマニュアルのステップ1「独自ドメインをレンタルする」の解説です。
ドメインは基本的に、ドメイン発行者の認定を持つ企業から、空いているドメイン(名前)を月額や年額を支払ってレンタルすることになります。
その代表的なサービスが
- GMOインターネットグループ株式会社の提供する「お名前.com」
- GMOペパボ株式会社の提供する「ムームードメイン」
です。
ドメインの価格は取得するドメインによって変わってきます。
マニュアル内で紹介しているキャンペーンを活用すれば、ドメインの取得・維持費用は0円になります。
ちなみに私の個人ブログ用途に取得した「toritakashi.com」は年間2,000円程度。
「hint.ac」は取得だけで1.5万円程度かかっています。
なぜレンタルサーバが必要なのか
ここはSTEP2の「レンタルサーバー(WordPressの置き場所)をレンタルする」の解説です。
先ほどIPアドレスはあくまで座標で、そこにコンピュータがあるか、そこでどんなプログラムが動いているかまではわからないと書きました。
つまりドメインを取るだけでは、ただ座標と名前を変換することしかないのです。
ブログを運営するためには、ブログのデータを保管・管理・提供するためのプログラム(WordPress)と、そのプログラムを動かすためのコンピュータが必要です。
そしてこのコンピュータは24時間365日、安定的に動作することが求められます。
そのようなコンピュータを個人で用意するハードルは高い(ただ非常に勉強になって楽しいのでエンジニア的にはおすすめですが)ので、レンタルサーバを利用するのが一番手っ取り早いです。
レンタルサーバを提供する業者は xserver lolipop など色々あります。
レンタルするサーバーの性能によって値段が変わりますが、個人ブログ程度であれば月980円程度のプランで十分です。 マニュアルでは、ドメイン無料キャンペーンのあるlolipopで解説しています。
レンタルサーバーを借りると
- レンタルサーバ上にファイルを読み書き実行削除するためのアカウント情報
- レンタルサーバのIPアドレス
が送られてきます。
このレンタルサーバのIPアドレスをSTEP1で取得したドメインに紐づけましょう。
そのための手順がSTEP3「レンタルサーバに独自ドメインを紐づける」です。
WordPressとは結局何なのか?
STEP4の解説の前に、WordPressとは何かを知っておきましょう。
先ほども出てきましたが、WordPressはブログのデータを保管・管理・表示するためのプログラムです。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)というジャンルのプログラムで、オープンソース・無料で使えます。
日本でのCMS業界でのシェアは84%、世界のWebサイトの43%がWordPressで作られています。 WordPressはPHPというプログラミング言語で作られたプログラムです。
世界中のエンジニアが開発するプラグイン(拡張機能)を追加して機能を増やしたり、テーマを追加してサイトの見た目をカスタマイズしたりできます。
もし自分の欲しい機能がなければ、自分で作って拡張できる点が特徴です。 HintもWordPressのプラグインで、基本的にPHPを使って書かれています。
プログラムとファイルの関係
プログラムは一連の手続きを記録したファイルですが、あくまで加工手順書のようなものです。
そのためブログのデータそのものをずっと持っているわけではありません。
ブログデータの保存・読み込みなどの永続化を行う対象は「ブログのデータを保存するファイル」です。
加工手順書を実行し「ブログデータのファイル」を読み込んで誰かに送ったり、中身を書き換えたりするファイルがプログラムです。
エクセルのプログラムとエクセルファイルの関係をイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
データベースとは何か?
検索やデータの追加に特化した、表形式のようなファイルを作り、効率的に検索や書き込みをできるようにするプログラム。
それがDBMS(データベースマネジメントシステム)というプログラムです。
PHPとDBMSを連携することで、PHPがデータを効率的に読み書きできるようになります。
代表的なDBMSはMySQLで、レンタルサーバではセットアップは既に行われていることが大半です。
そのためレンタルサーバーを使う場合、自分でインストールする必要はありません。
データベース自体は、同じ列に同じ型(数値、文字列、日時)が入っていれば良いのですが、これでは少々自由度が高すぎるので、効率的にデータを管理するルールが必要です。
そこでWordPressが
- 投稿データはwp_postsという名前のテーブルに保存
- 設定はwp_optionsという名前のテーブルに保存
などのルールを決め、開発者は、このルールに沿ってデータを読み書きするように作られたWordPress標準搭載のプログラムを通じてデータを読み書きします。
このように一定のルールを整備することで、多くのプラグインを同時に動かしても正しく動くようにしているのです。
HTML, CSS, JavaScriptとPHPの関係
WordPressはPHPで書かれたプログラムの集合体です。
PHPは以下のようにHTMLの中に埋め込む形で使われます。
<html>
<body>
<?php ここにPHP言語で書かれた処理を記述。例えばデータベースから記事の文章を取得して挿入する、など。 ?>
</body>
</html>
この<?php ?>の中にデータベースからデータを取得するプログラムを書くことで、テーマのレイアウトやデザインに基づいて、ブログの文章を表示することができるようになります。
WordPressをレンタルサーバに設置する
ここでSTEP4「レンタルサーバーにWordPressをインストールし、設定をする」の解説です。
WordPressはただのプログラムファイル群です。 動作するためには、phpの処理を実行するプログラムと、ブログデータの管理をするDBMSとしてMySQLが必要です。
ただ大半のレンタルサーバは、自動でこれらのプログラムの設定をして、WordPressのインストールまでやってくれます。 そのため、数クリックでWordPressサイトを構築できてしまいます。
大変便利ですね。